雨樋の寸法選定のための排水能力計算シミュレーション

屋根の雨水排水計画に使用する雨樋の排水能力計算フォームを作成しました。

この計算フォームでは以下のような計算を行い、軒樋・竪樋のサイズの適否を判断できます。

勾配屋根(軒樋・竪樋の計算)陸屋根(竪樋の計算)のそれぞれに使用できる計算フォームを用意しています。

  • 落とし口1カ所あたりの降雨量を算出します。
  • 軒樋のサイズ・勾配を設定し排水量を算出します。
  • 竪樋のサイズ・高度水頭(陸屋根の場合)を設定し排水量を算出します。
  • 上記3つの数値を比較し軒樋・竪樋のサイズの適否を判断してくれます。
  • 入力した数値から落とし口1カ所あたりの適応屋根水平投影面積を参考に表示してくれます。

雨水排水計画において、軒樋・竪樋の寸法を選定する方法について詳しい説明は以下の記事を参照してください。

目次

軒樋の排水量計算式 クッターの公式

軒樋の排水量計算式

$$
Q=\frac{1}{K} \cdot A \cdot V
$$

クッターの公式

$$
V=\frac{23+\frac{1}{n}+\frac{0.00155}{i}}{1+\left(23+\frac{0.00155}{i}\right) \times \frac{n}{\sqrt{R}}} \times \sqrt{R i}
$$

径深

$$
R=\frac{A}{L}
$$

  • Q:軒樋排水量(㎥/s)
  • K:安全率(1.5)
    A:軒樋排水有効面積(㎡)
    V:流速(m/s)

    n:粗度係数(0.01~0.015)
    i:軒樋の水勾配
    R:径深(m)

  • L:潤辺(m)

軒樋の有効排水断面積・径深・潤辺
  • 安全率K(1.5)とは軒樋に溜まった落ち葉や砂などによる排水有効面積の減少を考慮した数値です。
  • 粗度係数とは素材表面の粗さを示す数値です。素材により標準値が定められています。
  • 径深(けいしん)とは、水路断面の潤辺を基準とした平均的な水深です。
  • 潤辺(じゅんぺん)とは、満水時に雨水が軒樋に触れている部分の周長です。

粗度係数一覧

素材祖度係数の範囲標準値
 塩化ビニル管0.010
 鋼、塗装なし、平滑 0.011~0.0140.012
 モルタル 0.011~0.0150.013
 アスファルト、平滑0.013
 コンクリート2次製品0.013
 コンクリート、コテ仕上げ 0.011~0.0150.015
主な素材の粗度係数 一覧
国土交通省EBサイトより抜粋

竪樋の排水量計算式 トリチェリーの公式

トリチェリーの公式

$$
Q=C \cdot A’ \cdot \sqrt{2 g H’}
$$

  • Q:竪樋の排水量(㎥/s)
  • C:流量係数(0.6)
  • A’:竪樋排水有効断面積(㎡)
  • g:重力加速度(9.8m/s²)
  • H’:高度水頭(m)
軒樋の高度水頭・竪樋の有効排水断面積
勾配屋根の場合
陸屋根の場合
  • 流量係数(0.6)とは、落とし口部分に発生する渦の空気の巻き込みによる流量減少を考慮した数値です。
  • 高度水頭(H’)は落とし口部分にかかる水圧を高さ(m)で表した数値で、軒樋の潤辺高さ防水層の立上り高さに相当します。

勾配屋根 雨水排水計画 計算フォーム

・計算は自動で行います。
・JavaScriptの仕様上、計算結果に誤差が出る可能性があります。
・あるまでも参考値として自己責任において使用してください。

計算フォームの使用方法の詳しい説明はこちらです。

勾配屋根 排水能力計算概要図
軒樋 排水能力計算概要図
勾配屋根 竪樋 排水能力計算 概要図

陸屋根 雨水排水計画 計算フォーム

・計算は自動で行います。
・JavaScriptの仕様上、計算結果に誤差が出る可能性があります。
・あるまでも参考値として自己責任において使用してください。

計算フォームの使用方法の詳しい解説はこちらです。

陸屋根 排水能力計算概要図
陸屋根 竪樋 排水能力計算 概要図

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