最新のデザインタイルをすばやく探せるデザインタイル専門情報サイト「デザイナーズ・タイル・ラボ」

デザインタイル専門サイトの紹介です。

近頃はタイルの進化がめざましく、実に様々なデザインのタイルが商品化されるようになってきており、私たち設計者にとっても選択肢の幅が広がり非常に嬉しい限りです。

各メーカー共に新しい試みに力を入れているように感じますが、個人的には新しいデザインタイルの方向性としては以下の３つに大きく分類されているように思えます。

それぞれのデザインの方向性自体は別に真新しいものではなく、昔からあるデザインタイルのカテゴリーではありますが、そのデザインの種類が膨大になり、また各タイルの細部へのこだわりがより深く、さらに各タイルに明確なデザインの方向性を持たせているのが最近の傾向かと思います。

あまりにも多くのデザインの商品があるため、私たち設計者にとっては表現の手段の選択肢が増えて嬉しい一方、自分のイメージに合うタイルを探すのも一苦労といったところです。

今回紹介するのは、そのような設計者のタイル探しに役立つ、こだわりのあるデザインタイルだけを集めたデザインタイル専門サイト「DTL（デザイナーズ　タイル　ラボ）」です。

多数の優れたデザインのタイルがカテゴリーごとに分類されており、設計者の好みのデザインタイルを効率よく探すことができる非常にありがたいウェブサイトです。

タイルに関する最新の情報も発信されており、タイルについての知識を深めたい方にとっても良い情報源となるでしょう。

またサイト自体も非常に美しくデザインされているので、サイトに掲載されている美しいデザインのタイルたちを眺めているだけでもインスピレーションを得ることができます。

「デザイン ラボ」膨大な種類のデザインタイルが６つのカテゴリーに分類

デザインタイル専門サイト「DTL（デザイナーズ・タイル・ラボ）」は、建材大手LIXILさんが運営するデザインタイル専門の情報サイトです。

デザインタイルに関する情報を、「デザインラボ」、「機能ラボ」、「ものづくりラボ」の３つのアプローチで発信しています。

注目すべきは「デザイン ラボ」で、多数のデザインタイルが６つのカテゴリーに分類されており、設計者が求めるイメージのカテゴリーを選択することで、ラインナップの中から自分の求めるデザインのタイルを探すことができます。

DTLサイトの「デザイン ラボ」内にある６つのデザインカテゴリーと、それらの中の多数の商品の中から私が個人的に注目している商品をいくつかピックアップして紹介したいと思います。

※紹介するのは2022年2月時点でDTLサイトに掲載されている商品です
※画像クリックでDTLサイト内の各商品の詳細ページに移行できます

経年劣化感を表現した「VINTAGE VIBE」

様々な素材のエイジング感を表現したデザインカテゴリーです。

近年様々な建材で同じようなコンセプトの商品が展開されていますが、タイルという素材の奥行き感や重量感は、化粧板などの単なる画像処理による表現とは全く違う再現力を持っていると感じます。

設計者にとって非常に難しい経年劣化感を表現するというデザインの頼もしい味方になってくれるでしょう。

本物のコンクリートでも新築では表現が難しい、エイジングコンクリートの荒々しさを再現したタイル。このような表現を高いレベルで実現できるのは重量感のあるタイルという素材ならではないかと思います。

ヴィンテージもののガラスブロックを表現した、どこか懐かしい雰囲気のタイル。サイズも標準的なガラスブロックに合わせて作られています。長い年月の間そこに存在していたかのような絶妙なガラスのくすみ具合を再現しているのがすごいです。

ヴィンテージ感のある上品な木質調のタイル。小さめのボーダーサイズなので、パーケットフロアーのようなパターンを生み出すこともできます。４色の組み合わせることで表現の幅もグッと広がります。

あらゆる素材感を表現した「SUPER REAL」

石、木、金属、コンクリートなどの異素材を再現したデザインタイルカテゴリーです。
石や木などを再現するタイルは昔から多くの商品がありますが、金属、コンクリートなどは最近増えてきた新しい表現かと思われます。

異素材の表現力の完成度が非常に高いのはもちろんですが、最大のメリットは、耐水性や耐摩耗性、安全性など環境や部位によっては使用しづらい材種であってもタイルであれば使用可能であるということではないでしょうか。

特に床に関しては、異素材を表現する際によく使われる化粧板を使用することはできないため、耐摩耗性の高いタイルでそれが可能になるというのが嬉しいです。

大胆で優美な大理石の表情が再現されている。艶は磨き、マットの２種。736mm角の正方形と長さが２倍の長方形の超大判サイズが用意されているのが特徴。

重厚で伝統感と落ち着いた雰囲気のバーリントンストーンを再現。２種類の大判サイズが用意されています。ゆず肌、くし引き、斜めはけ引きの３種の凹凸柄をミックスした壁用タイルがおもしろいです。

オイル塗装を施した上質な木のイメージ。ボーダーサイズであることと10色ものラインナップがあるおかげで様々なパターンがデザインできます。DTLサイト内のパターンライブラリーは大いに参考になりますし、設計者の想像力が掻き立てられます。

味わい深く錆びた金属を再現したタイル。赤錆、黒錆、シルバーの３色がラインナップされている。金属が使えないような場所にもタイルであれば使用可能なので、表現の幅が広がります。

ガラスモザイクタイルの進化版「HYBRID TEXTURE」

ガラスモザイクタイルが進化した、立体的な形状やガラスと他素材を組み合わせた挑戦的なデザインタイルのカテゴリーです。

斬新で近未来的な雰囲気を持つ商品が多数ラインナップされています。

ガラスと金属の組み合わせによるモザイクタイル。長方形モザイクタイルと変形した六角形モザイクタイルの２形状にそれぞれ赤色系と黒系の２色がラインナップされています。透明感のあるガラスに無機質な金属が散りばめられていて存在感のある壁面を作り出すことができます。

進化したガラスモザイクタイル。底面に施された数種類のパールカラー、数種類のボーダーサイズ、船底形状や楔形状のタイルがミックスされていることで、見る角度によって光の反射具合が変わって多彩な表情を見せる壁面を作り出すことができます。

底面にミラー処理を施したガラスタイル。底面が特徴的な船底形状となっていてシャープなエッジ部分の中に奥行き感と透明感を感じることができる斬新なデザインタイルです。

3Dタイル「LIGHT & SHADE」

立体的な形状を持つデザインタイルのカテゴリーです。

多くの商品が非対称な立体形状となっていて、配置する向きによって変化のある陰影を作り出すことができます。
ウォールウォッシャーライトや間接照明との相性が非常に良いと思います。

六角形に非対称な立体形状を持たせたタイル。同じ立体形状にもリブ模様を加えた磨き面を持つもの２色とマット仕上げ３色があり、さらにフラットタイプ３色も加えて計８種類のデザインがラインナップされている。それらを自由に組み合わせで様々なデザインを展開できそうです。

オーソドックスな150角タイルに幾何学的な凹凸のデザインを持たせたタイル。左右非対称であるため並べ方で様々な表情を持たせることができます。同色のフラットタイルも用意されているのでアクセントで立体タイルを使用することもできます。

ペイビングパターンデザインタイル「PLAYFUL & COMBINATION」

台形やひし形といった特徴的な平面形状を持つ変形タイルや、多数のカラーラインナップを利用してペイビングパターンを自由に創造できるデザインタイルのカテゴリーです。
加えてインテリアカラー目地を組み合わせれば、さらに多くのデザインパターンを生み出すことができます。

設計者にとってはデザインの自由度が非常に高く、発想力やデザイン力が試されることとなるため、難しくもあり楽しくもあるようなタイル本来の魅力を持つデザインタイルのカテゴリーです。

DTLサイトには多くのペイビングパターンの見本が閲覧できる「パターンライブラリー」があるため、設計者の大きな味方となってくれることでしょう。

台形タイル。形状は一種類ですが、８色もの豊富なカラーで実に多彩なパターンを生み出すことができます。どのような表情を生み出すかは設計者の腕次第といったところですが、DTLサイトのパターンライブラリーを利用すれば膨大なパターンのストックを閲覧できます。

和柄の「鹿の子」をモチーフにしたモザイクタイル。色は白とグレーの２色ですが、グレーにはアクセントで光沢のあるタイルが散りばめられています。白の方はカラー目地を使用することで、鹿の子柄が浮き立つようになりますのでカラー目地の使用がおすすめです。インテリアカラー目地は全８色。ラインナップはDTLインテリアカラー目地専用のページにてご確認ください。

ストライプ状のレリーフの上に繊細なストライプ柄が重ねられた優美なデザインが特徴のタイルです。画像から色彩を抽出する最新技術が使用されているそうです。優しい色合いの４色と白の計５色がラインナップされており、カラー目地との相性も良さそうです。

焼き物本来の色むらを活かした「YAKIMONO DIVERSITY」

制作過程で生まれる色むらや不均等な形状といった品質のばらつき感をあえて全面に押し出したデザインタイルのカテゴリーです。
本来焼き物であるというタイルの素材としての魅力を感じることができる商品が多数ラインナップされています。

焼き物本来の荒々しい質感を持つタイル。モザイクタイルですが、重量感を感じる珍しいデザインがおもしろいです。釉薬の付着具合により光沢具合に変化があり、一粒ごとの表情にムラがあるのがとても魅力的です。カラーは１色。

ラフな手作り感をあえて全面に押し出した150角タイル。１枚１枚に自然なうねりを持つ面形状と、カラーに同系色の濃淡による色むらを持つハンドメイド風のタイルです。色のムラ具合が絶妙なので、細目地で洗練されたイメージにも、またあえて極太目地によりラフさを強調してカジュアル感を出してもよいかもしれません。

デザインタイルを素早く探せる

パターンライブラリー

そのような時にはDTLサイト内の「パターンライブラリー」を参考にするのがおすすめです。
DTL内のデザインタイルを使用したペイビングパターンの参考例が100種類以上紹介されていて、なかにはなるほどと思わせるような新しい発見があったりして大いに役に立ちます。

施行例から探す

タイルカラーから探す

タイルについての造詣を深める

「DTL（デザイナーズ　タイル　ラボ）ではデザインタイルを探すのに役立つだけでなく、タイルの機能性についてや、ものづくりの観点からタイル製作をとりまく環境について学ぶことができます。
ここでは「デザインラボ」以外の２つのラボ、「機能ラボ」と「ものづくりラボ」についても簡単に触れておきます。

「機能ラボ」

「ものづくりラボ」

DTLサイト案内・関連記事

デザインタイル専門サイト「DTL（デザイナーズ　タイル　ラボ）のコンテンツについて、簡単ではありますが一通り紹介させていただきました。

私にとってはデザインタイル探しに欠かせないウェブサイトになりつつあります。
「デザインラボ」のタイルラインナップは、新商品の発売に合わせて随時更新されているようですので、みなさんも定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか。

最後にDTLサイトの主要なページのリンクを貼っておきます。

DTLウェブサイト各ページへのリンク