この記事で紹介しているサイト(ブックマーク用)
設計業務に役立つ各種地図をインターネット上で検索・閲覧・ダウンロードできるサイトをまとめました。
建築設計の事前調査に必須の都市計画図・用途地域図、近隣調査などの際に必要となる住宅地図、地番を正確に確認するための公図、土地の形状と敷地面積の根拠となる地積測量図をインターネット上で提供してくれるサイトを一覧にして詳しく紹介しています。
都市計画図・用途地域図
全国の都市計画図検索ページ「全国都市計画図検索」|株式会社テクノアート
株式会社テクノアート様が運営する、全国の自治体の都市計画図・用途地域図の閲覧ページをまとめたサイトです。
都市計画図(用途地域図)は本来、自治体の都市計画課などの窓口で閲覧・購入が可能ですが、自治体のサイトで掲載ページを探すとなると、自治体ごとにサイトの構成がまちまちでなかなか都市計画図を見つけることができなかったりと苦労させられることもあります。
そもそも、用途地域の指定はされているもののネット上では掲載していない自治体もあったりするため、散々探したあげく閲覧ページがなかったなんてこともあり得ます。
なじみのない土地の都市計画図・用途地域図を調べるには、まずはこのサイトで検索すると決めておけばそのような無駄も省けるかと思います。
全国の都市計画図・用途地域図の検索はこちら
「全国都市計画図検索」の使い方と注意点
「全国都市計画図検索」サイトの使い方は特に説明の必要もないかと思います。
敷地が所在する行政区の名称を都道府県から辿っていくだけです。
行政区の中には都市計画図の掲載のない市区町村がありますが、「全国都市計画図検索」サイトではそれらの市区町村に都市計画図の掲載がないことを明確に記載してくれています。
都市計画図の掲載がないのは次の2つのパターンがあります。
- 用途地域の指定がない市区町村
- 用途地域の指定はあるが都市計画図を掲載していない市区町村
実際に「全国都市計画図検索」サイトで、富士山麓の忍野八海で有名な山梨県の忍野村で検索してみました。
下の画像の中の①で示したように、忍野村は「用途地域の指定がない市区町村」であることがわかります。
ちなみに、同じページの②上野原市は「用途地域の指定はあるが都市計画図を掲載してない市区町村」であることがわかります。
そして、①の忍野村に用途地域の指定がないことは、上位の行政区である山梨県全体の都市計画総括図で、実際に用途地域の指定がないことを確認できます。
②の上野原市は、上野原市のサイトには都市計画図の掲載がないですが、山梨県のウェブサイトに近隣の市と合わせて都市計画総括図として掲載されていました。
②の上野原市の例が示すように、「用途地域の指定はあるが都市計画図を掲載してない市区町村」に関しては都道府県のサイトに掲載されていることがあるのでご注意ください。
- ❶ 用途地域の指定がない市区町村
-
都道府県のサイトに掲載されている都市計画総括図で用途地域の指定がないことを確認できる場合がある
- ❷ 用途地域の指定はあるが都市計画図を掲載していない市区町村
-
都道府県のサイトに掲載されている都市計画総括図で用途地域を確認できる場合がある
「全国都市計画図検索」の説明は以上です。
住宅地図
申請図面に添付する案内図や、近隣説明に必要な日影図などに必要となってくるのが住宅地図です。
図面に画像データとして、あるいはDXFデータとして、直接取り込むことができる住宅地図の出力サービスを紹介いたします。
ゼンリン住宅地図出力サービス
ゼンリン公式オンラインショップ内の、「ゼンリン住宅地図出力サービス」は欲しい住宅地図をページ単位で購入することができる有料サービスで、複製許諾付き住宅地図であれば申請図などに直接取り込んで提出することも可能です。
住宅地図の購入は1部550円〜(税込)と手頃な値段となっており、購入には会員登録が必要です。
- 住宅地図を該当する敷地を中心としたページ単位で出力可能(A3・B4・A4)、広域サイズ(A0、A1)もあり
- 複製許諾付きの地図であれば申請図などへ直接添付して提出することが可能
- DXFデータとして取り込むことも可能
ゼンリン住宅地図出力サービスのページはこちら
- 住宅地図(ページサイズ) A3、B4、A4 タテ/ヨコ
- ブルーマップ(ページサイズ) A3、A4 タテ/ヨコ
- 広域住宅地図(ラージサイズ) A0、A1 タテ/ヨコ
- CADデータ(DXFファイル)
それでは、「ゼンリン住宅地図出力サービス」で入手可能な住宅地図のラインナップと価格を詳しく見ていきます。
住宅地図(ページサイズ)
ページサイズの住宅地図は、実際に販売されている住宅地図帳をページ単位で出力できるもの(こちらはA3サイズのみ)と、該当する敷地を中心として出力できるものがあります。
特に理由がなければ該当する敷地を中心としたもので良いかと思います。
サイズ | A3 / B4 / A4 |
---|---|
色 | モノクロ / カラー |
価格 | 550円(税抜価格:500円) ※複製許諾付きは770円(税抜価格:700円) |
縮尺 | 1/1,500相当 |
種類 | ・住宅地図(居住者名あり) ・住宅地図(居住者名なし) ・全文字情報なし |
向き | タテ / ヨコ |
印刷に必要な用紙 | 商品サイズと同じ用紙を1枚 |
ファイル形式 | PDF / TIFF ※TIFFはモノクロのみ |
ブルーマップ
ブルーマップとは住宅地図に地番情報、敷地情報(用途地域など)を重ね合わせたものです。
用途地域データは、区域区分、用途地域、建ぺい率、容積率、防火地域・準防火地域、最高/最低高度、高度地区の略語が記載されています
サイズ | A3 / A4 |
---|---|
色 | カラー |
価格 | 1,100円(税抜価格:1,000円) |
縮尺 | 1/1,000相当 または 1/1,500相当 |
向き | タテ / ヨコ |
印刷に必要な用紙 | 商品サイズと同じ用紙を1枚 |
ファイル形式 |
ブルーマップに用途地域等の情報が載っているのはありがたいのですが、用途地域境界線の道路からの距離が記載されていないので、敷地によっては設計で使用するには難があるかと思います。
行政で提供されている都市計画図を利用するのが無難でしょう。
一方、地番情報の方ですが、こちらも境界が明示されておらず、土地が分筆されている場合など複数の地番が存在する場合には、該当する敷地の地番を正確に把握することは困難です。
そのような場合は、素直に公図で調べるのが無難かと思います。
- 敷地に用途地域境界線がまたがる場合、その位置をブルーマップで正確に把握することは困難
- ブルーマップでは土地のおおよその地番を確認することができるが、複雑な敷地で正確に調べることは困難
公図のインターネット上での閲覧方法はこの記事の後半で説明しています。
広域住宅地図(ラージサイズ)
広域住宅地図(ラージサイズ)の出力サービスです。
A0あるいはA1サイズの広域住宅地図を出力、あるいは出力したものを郵送してもらうことができます。
ちなみに、分割して出力し、つなぎ合わせて使用することもできます。
1枚図で出力する場合
サイズ | A0 / A1 |
---|---|
色 | モノクロ / カラー |
価格 | A0 モノクロ11,000円(税抜価格:10,000円) A0 カラー16,500円(税抜価格:15,000円) A1 モノクロ8,800円(税抜価格:8,000円) A1 カラー13,200円(税抜価格:12,000円) ※1注文で最大5セットまで同時購入できます。 ※1注文につき配送料1,760円(税抜価格:1,600円)が別途かかります。 |
縮尺 | 1/1,500相当 |
種類 | ・住宅地図(居住者名あり) ・住宅地図(居住者名なし) |
向き | タテ / ヨコ |
分割して出力する場合
サイズ | A0 / A1 |
---|---|
色 | モノクロ / カラー |
価格 | A0 6,600円(税抜価格:6,000円) A1 4,400円(税抜価格:4,000円) |
縮尺 | 1/1,500相当 |
種類 | ・住宅地図(居住者名あり) ・住宅地図(居住者名なし) |
向き | タテ / ヨコ |
印刷に必要な用紙 | A0 :A3 8枚 または A4 16枚 A1 :A3 4枚 または A4 8枚 |
ファイル形式 |
CADデータ(DXFファイル)
住宅地図をDXFデータでダウンロードできるサービスです。
サイズ | ●住宅地図帳のページ、図番 ・1 図 :750m × 500m ・片ページ:500m × 375m ●お好きな場所 ・125m四方 ・250m四方 ・500m四方 |
---|---|
価格 | ●住宅地図帳のページ、図番 1 図22,000円(税抜価格:20,000円) 片ページ11,000円(税抜価格:10,000円) ●お好きな場所 125m四方2,750円(税抜価格: 2,500円) 250m四方5,500円(税抜価格: 5,000円) 500m四方16,500円(税抜価格:15,000円) |
地理座標 (平面直角座標) | ・地理座標あり ・地理座標なし |
DXFバージョン | AC1009(AutoCAD R12) |
推奨CADソフト | AutoCAD 2020 |
ゼンリン住宅地図出力サービスの利用方法
「ゼンリン住宅地図出力サービス」を利用するにはログインが必要です。
こちらのページより新規会員登録を行いましょう。
使用方法は以下の手順です。
住宅地図(ページサイズ)を例に手順を説明します。
「ゼンリン住宅地図出力サービス」の紹介は以上です。
公図・地積測量図・不動産登記情報(登記簿謄本)
公図などの登記情報のインターネット上での閲覧サービスの紹介です。
土地・敷地の地番を正確に把握するには公図が必要です。
そして、公図を取得するには公図番号を把握しているか、土地の地番が必要です。
地番を正確に調べたいのに地番が必要という矛盾が生じるわけですが、今から紹介するサイトには、公図を請求する際に後ほど説明する地番検索サービスが付随していますので問題ありません。
ということで、このまま公図のインターネット上での取得方法の紹介をすすめます。
公図(こうず)とは、土地の境界や建物の位置を確定するための地図で、一般に旧土地台帳施行細則第2条の規定に基づく地図のことを指す(旧土地台帳附属地図と呼ばれることもある)が、広義には下記のものを包括した概念である。
- 不動産登記法第14条第1項に規定する地図
- 不動産登記法第14条第4項に規定する地図に準ずる図面
これら(法14条地図および地図に準ずる図面)は登記所(法務局)が管理し閲覧することができる。
法14条地図の縮尺は250分の1、500分の1、1000分の1、2500分の1であり、地図に準ずる図面は300分の1又は600分の1のものがある。日本全国を網羅するためには数百万枚もの膨大な地図が必要となるが、しばしば測量の誤りを含む古い地図が存在することもある。
ウィキペディアより引用
公図・地積測量図など登記情報のインターネット上での閲覧サービス「登記情報提供サービス」
「登記情報提供サービス」は一般財団法人 民事法務協会が運営するインターネット登記情報提供サービスです。
具体的には登記所が保有する登記情報(不動産、商業、法人登記を含む)をインターネットを使用してパソコンの画面上で確認できます。
使用には一時利用者を除き利用者登録が必要で、サービスの利用は有料となっていますが、法務局の窓口を利用するよりかは安価です。
「登記情報提供サービス」のサイトはこちら
「登記情報提供サービス」で閲覧できる登記情報
閲覧できる登記情報は、以下のとおりです。
(サービスの対象となるのは、コンピュータ化されている登記情報です。)
- 地図情報(公図):地図又は地図に準ずる図面
- 図面情報:地積測量図、各階平面図など
- 不動産登記情報(全部事項)/ 不動産登記情報(所有者事項) (≒登記簿謄本)
- 商業・法人登記情報
- 動産譲渡登記事項概要ファイル情報及び債権譲渡登記事項概要ファイル情報
登記情報はPDFファイルとなっています。
なお、このサービスは登記情報の閲覧サービスなので、証明文や公印等は付加されていません。
詳しくは「登記情報サービス」のサービス概要ページをご覧ください。
「登記情報提供サービス」で取得できる公図の見本
「登記情報提供サービス」で取得できる地積測量図の見本
サービスの利用時間と申し込み方法
「登記情報提供サービス」の利用可能時間
「登記情報提供サービス」は登記情報を請求できる時間が定められていて、利用するサービスの種類によって利用可能な時間が異なるので注意が必要です。
利用可能時間 平日 8:30 ~ 23:00|土日祝日 8:30 ~ 18:00
地図・図面情報は 平日 8:00 ~ 21:00 のみ
サービスの申し込み方法と重要な注意点
「登記情報提供サービス」には5つの利用方法があります。
- ・一時利用
-
申し込み手続きなしでクレジットカードの即時決済により利用する方法。
登記情報が請求できるのは初回ログインを行った当日中のみなので利用するには事前の準備が必須であるとともに、利用可能時間を考慮する必要があるので注意してください。なお、一時利用者登録が完了しIDが発行された後は、30分以内にログインしなければなりません。
30分を過ぎますとログインできなくなりますのでこちらもご注意ください。 - ・個人利用
-
個人で利用する人があらかじめ申し込み手続きを行なった上で利用する方法です。
申し込み手続きが完了し、利用者IDが送付されてくるまで1週間程度の時間がかかります。
料金の支払いは登録を行ったクレジットカードで行います。 - ・法人利用
-
法人で利用する場合にあらかじめ申し込み手続きを行なった上で利用する方法です。
申し込み手続きはダウンロードした書面にて行います。
管理者IDを発行してもらい、管理者が利用者ID(最大200名)を登録して利用する必要があります。
申し込み手続きが完了し、管理者IDが送付されてくるまで1ヶ月程度の時間がかかります。
料金の支払いは登録した銀行口座からの引き落としになります。 - ・公共機関利用(説明省略)
- ・公共電子確認(説明省略)
利用登録料金と各サービスの料金
利用登録料金
サービスの利用者の一時利用者をを除いた利用登録料金の一覧表です。
個人(登録)利用 | 300円 |
---|---|
法人(登録)利用 | 740円 |
国、地方公共団体等 | 560円 |
サービス利用料金
提供される情報の名称 | 内容 | 利用料金(税込) |
---|---|---|
不動産登記情報 | 全部事項 | 332円 |
所有者事項 | 142円 | |
地図(公図) | 362円 | |
図面 ・土地所在図/地積測量図 ・地役権図面 ・建物図面/各階平面図 | 362円 | |
商業・法人登記情報 | 全部事項 | 332円 |
動産譲渡登記事項概要ファイル情報 | 現在事項・閉鎖事項 | 142円 |
債権譲渡登記事項概要ファイル情報 | 現在事項・閉鎖事項 | 142円 |
注意:請求した事項の記録がない場合も、その旨の情報が表示され課金されます。
登記情報提供サービスの操作マニュアル(外部リンク)
説明した通り、「登記情報提供サービス」の利用者登録には最低でも1週間以上の時間がかかります。
したがって、急ぐ場合には一時利用を使用するしかないわけですが、一時利用が使用可能なのはログインした最初の1日だけで、その利用時間は夜の21:00までとかなり厳しい利用制限がかかっています。
建築の設計関係でこのサービスを利用するのは公図・地積測量図・土地の登記簿謄本の閲覧が目的の方が多いと思いますが、それらのサービスの利用方法をある程度頭に入れた状態で利用開始することをお勧めします。
「登記情報提供サービス」のウェブサイト内に詳細な操作方法が丁寧に記載されていますので是非そちらに目を通して操作方法をある程度把握しておきましょう。
一時利用者の操作方法はこちら
個人登録者・法人利用登録者の操作方法はこちら
法人管理者(公共機関含む)の操作方法はこちら
各種サービスを請求する際に必要な地番を調べることができる「地番検索サービス」について
不動産登記情報(公図・地積測量図・登記簿謄本)を請求する際には地番が必要となります。
「登記情報提供サービス」内には請求画面内に「地番検索サービス」が付随していて、地番がわからない場合でも住居表示からおおよその地番を調べることができます。
公図で地番を正確に調べるためには地番が必要という矛盾は、この「地番検索サービス」を利用することで解消されます。
「登記情報提供サービス」サイト内に「地番検索サービス」に関する説明ページがありますのでそちらを参照願います。
「登記情報提供サービス」の紹介は以上です。
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