薪を燃料とする露天風呂の設計依頼が来ましたので、ボイラーを色々と調べていたのですが、エーテーオー株式会社のウッドボイラーが機能的にピッタリでしたので紹介いたします。
設計中の露天風呂は郊外(山間部)の一般家庭の庭に設置するもので湯量は約3000リットル、側面と底部に断熱材を仕込んだ天然石貼り(一部タイル貼り)の小〜中型タイプです。
冬場での使用も想定されるので、必要な熱源能力は50,000kcal/h程度。通常の水道直圧による給湯系統と循環系統の2つの給湯系統があればベストです。
この条件にぴったりな熱源がこちらです。
ウッドボイラー|エーテーオー株式会社
エーテーオー株式会社は焼却炉やボイラーの製造・販売を行う名古屋の会社です。
「ウッドボイラー」は薪を燃料とするボイラーとしてエーテーオー株式会社に商標登録された製品ラインナップです。
一般家庭にも導入できる小〜中型のものが6種類(45万円〜136万円)、業務用の大型のものが2種類(418万円、529万円)ラインナップされています。※価格は税抜で2014年6月現在のものです
ウッドボイラーの最大の特徴は効率の良い熱交換システムです。
高熱効率のジャケット2重構造
このシステムは燃焼室の廻りを貯湯槽が取り囲むように覆っている2重構造となっているのが特徴です。供給された水を直接暖めるのではなく、貯湯槽内部のお湯を一定以上の温度に保った上で、その熱を熱交換器によって供給された水に伝えるというのは通常の薪ボイラーと同じ構造なのですが、この貯湯槽は上部や煙突だけでなく側面も貯湯槽で覆われているので、燃焼室の熱を効率よく貯湯槽内部のお湯に伝えてくれます。熱効率は最新機種(S-220NSB)で70%を達成しています。
新機種であるS-220NSBと今回の設計で採用予定であるN-350NSBの2機種をピックアップしてみます。
S-220NSB
本体外形寸法: 幅610mm 奥行き1,160mm 高さ1,290mm
投入口: 480mm × 370mm
燃焼室: 200ℓ
貯湯槽: 220ℓ
必要燃料:16kg/h
熱源能力:約35,300~51,000kcal/h(平均43,150kcal/h|50.2kW)
一般家庭向けの小型タイプです。外装がオールステンレスで見た目も美しくデザインされています。
オプションで2系統の熱交換器が設置可能なので給湯と床暖房といった2つの系統を同時に稼働できます。
給湯能力はおよそ28号の給湯器に相当します。
補助熱源として灯油バーナーが利用できます。
価格は¥648,000(本体のみ|税抜|2014年6月現在)です。
N-350NSB
本体外形寸法: 幅710mm 奥行き1,410mm 高さ1,350mm
投入口: 560mm × 400mm
燃焼室: 300ℓ
貯湯槽: 350ℓ
必要燃料:25kg/h
熱源能力:約47,830~69,088cal/h(平均58,459kcal/h|67.9kW)
一般家庭から小規模な業務用にまで対応できる中型タイプです。
給湯能力はおよそ39号の給湯器に相当し、小型の露天風呂にも対応できます。
S-220NSBと同じくオプションで2系統の熱交換器を設置できます。
今回の設計では水道直圧による足し湯とシャワー付水栓への給湯系統、追い炊きのための循環系統の2つの熱交換器を設置しようと検討中です。
外観が少し残念ですが、まあ人目につかない場所への設置なので問題なしとします。
価格は¥894,000(本体のみ|税抜|2014年6月現在)です。
どちらの機種も灯油バーナーを補助熱源として利用可能な上、足元の送風機により熱量を調整できるので定温給湯が可能となっています。1日の燃料補給も1〜2回で済むということですが、これは使用してみないことにはなんとも言えないところです。