左官材を使用したDIYに最適な珪藻土(けいそうど)の紹介です。
左官材によるDIYには、一般の方でも比較的材料が入手しやすい漆喰系、モルタル系、珪藻土などが考えられますが、珪藻土はその中でも取り扱いが簡単で、手作り感にあふれたおしゃれな空間を作り出すことができ、さらに、調湿、空気清浄、防汚などの優れた機能を持っているためDIYに最適な建材だと言えます。
今回紹介する日本ケイソウ土建材株式会社様の珪藻土(エコ・クイーン)は、数ある珪藻土の中でも珪藻土の機能性を充分に発揮する最高品質の珪藻土で、なおかつ一般の方がDIYを行うことを前提とした商品の販売形式、道具などのレンタルサービス、DIYマニュアルなどを備えたDIYに最適な珪藻土です。
ここでは、あらためて珪藻土とはどのような建材なのか、珪藻土を使ってDIYを行うことのメリットを述べつつ、日本ケイソウ土建材様の商品を紹介したいと思います。
珪藻土とは
珪藻土のすぐれた機能
珪藻とは水のある場所で繁殖する植物性プランクトンであり、いわゆる「藻」です。
この珪藻の死骸が海底などに堆積して数百万年とも言われる長い年月を経て化石化したしたものが「珪藻土」となります。
珪藻は非常に微細な多孔質の殻で包まれているため、その死骸の堆積物である珪藻土も多孔質の土であり、木炭の5000倍以上とも言われるこの超微細な多孔構造が、非常に優れた調湿・消臭効果を発揮します。
最高品質の白色珪藻土
珪藻土の優れた調湿・消臭効果は超微細な多孔質によるものですが、この細孔が目詰まりしていてはその機能性を発揮することはできません。
珪藻土は製造過程によって「乾燥品」、「燃焼品」、「融剤添加焼成品」に区分されますが、優れた調湿・消臭効果を発揮できるのは、珪藻土の細孔が目詰まりしていない状態で加工された「融剤添加焼成品」であることが重要だそうです。
珪藻土の「融剤添加焼成品」は食品製造メーカーなどで濾過材として大量に使用されているそうで、これらのことからも健康上にも非常に安全な商品であることが伺えます。
日本ケイソウ土建材株式会社の珪藻土(エコ・クイーン)は、この珪藻土の最高品質である「融剤添加焼成品」を原料とした白色珪藻土を使用しているため、珪藻土の優れた機能をそのまま発揮することができる建材です。
珪藻土には下に示したような様々な効果を持つ機能性建材です。より詳しい説明が日本ケイソウ土建材株式会社様のウェブサイトに掲載されていますので、ぜひご覧ください。
- 調湿・結露防止
- 抗酸化作用
- 光触媒効果
- 省エネルギー
- 不燃
- 音響効果
日本けいそう土建材 エコ・クイーンの商品ラインナップ
日本けいそう土建材の珪藻土「エコ・クイーン」の商品ラインナップを紹介します。
粉末タイプ NSR・NSZ・NZ
粉末タイプは施工前に水で練り上げてペースト状にしてから使用する商品です。
のちに紹介するペーストタイプに比べて、コストパフォーマンス的により大きな面積を施工するのに向いていますが、練り上げるために左官用のバケツとミキサーが必要になります。
必要な量だけを練り上げて、余った粉末はできるだけ空気に触れないように密封した状態で長期間保管することが可能です。
しっくい風仕上材のNSR、細粒入りのNSZ、顆粒入りのNZの3種類があり、細骨材の大きさによって仕上りに違いがあります。
細骨材が大きな方がより土壁風の荒々しい質感となります。
しっくい風仕上材のNSRは常時在庫色が5色と受注生産色が9色の計14色がラインナップされています。
細粒入仕上材(NSZ)や顆粒入仕上材(NZ)は、しっくい風仕上材(NSR)とカラーラインナップが異なりますので、詳しくは日本けいそう土建材様のウェブサイトをご確認ください。
ペーストタイプ
ペーストタイプはあらかじめ練り上げた状態で販売されている商品です。
開封後すぐに使用することができるため小面積のDIYに向いたお手軽な商品です。
慣れるまでが難しい水分調整を気にする必要もありませんので、初めて珪藻土のDIYに挑戦する方にも扱いやすい商品です。
顆粒なしのPSと顆粒入りのPZの2種類が用意されています。
顆粒なしのPSは全9色がラインナップされています。
顆粒入仕上材のPZは、顆粒なしのPSとカラーラインナップが異なりますので、日本けいそう土建材様のウェブサイトをご確認ください。
珪藻土DIYのメリットについて
珪藻土を使用したDIYのメリットについて考えてみたいと思います。
DIYを行うことのメリットとは、どのような目的を持ってDIYを行うかと言い換えて良いかと思います。
- コストダウン
- DIYそのものを楽しむ
- アイデア次第で自由なデザインを生み出せる
- 左官工事の知識を得ることで長期的なメンテナンスを自ら行うことができる
❶〜❹について順に解説します。
- ❶ コストダウンについて
-
新築住宅の場合を例に考えます。
結論から言いますと、トータルで大きなコストダウンには結びつきにくいと言えます。
もちろん額面上の施工費は安くなりますが、珪藻土に限らず、左官工事をDIYで行う場合、必要な左官道具を揃えるのに結構な金額がかかりますし、素人の場合、養生を行うための材料を揃えるのにも予想以上にコストがかかります。施工面積がそれなりに大きければ、左官道具を揃えるのにかかるコストの割合は小さくて済みますが、その場合、建設工事中にDIYを行うための時間をたっぷりと用意しなければならず、施工中にDIY用の時間を割くために工務店には余計な管理業務が発生し、それは経費として総工事費に跳ね返ってくることにもなるでしょう。
よほどDIY工事に理解のある工務店でなければ引渡し前のDIY工事は避けたほうが無難です。逆に、施工面積がごく小さい場合や小規模なリフォームの場合、例えば室内の壁一面にアクセントとして珪藻土を塗りたいなどといった場合には、DIY工事と本工事を分けることが可能ですので、コストダウンの効果が得やすいと思います。
左官道具を用意しなければならない問題が残りますが、日本けいそう土建材様には左官道具のレンタルサービスがありますので、それで解決することができます。 - ❷ DIY自体が目的である場合
-
コストに関係なく、DIYそのものを楽しみたい方には珪藻土によるDIYをお勧めできます。
珪藻土は比較的扱いが簡単な建材で、技術がなくて多少雑な仕上がりとなってもおしゃれに見える建材です。
モノ作りが好きな人であれば手間暇かけて作り上げた壁であれば愛着も湧くでしょうし、家族みんなでモノ作りに取り組む時間というのもとても楽しいものだと思います。珪藻土は水との配分調整が難しいものですが、日本けいそう土建材様のエコ・クイーンのペーストタイプは、あらかじめ練り上げた状態になっていますので、それを利用すれば面倒な水練り作業を行う必要もなく、純粋に壁に珪藻土を塗りあげる工程だけを楽しむことができます。
- ❸ アイデア次第で自由なデザインを生み出せる
-
珪藻土は非常に多彩な仕上げが可能な建材です。
刷毛や櫛を使用した刷毛引き仕上げ、櫛引仕上げなどと行ったオーソドックスなものから、山目コテを使用した校倉風仕上げや木コテを使用した木ゴテ引きずり仕上げなど、様々な小道具を使用して実に多彩な仕上げを生み出すことができます。
小道具を用意しなくとも、金こて一つでいろいろなパターンを生み出すこともできます。
2色の珪藻土をラフに混ぜ合わせながら塗るだけでも意外な面白みのある壁面になったりと、自由な発想でオリジナルのパターンを生み出すことができる建材であると同時に、多少の失敗であれば、上から塗りつぶしてしまえば問題になりませんので、いろいろと試行錯誤しながらDIYを楽しんでみてください。 - ❹ 左官工事の知識を得ることで長期的なメンテナンスを自ら行うことができる
-
珪藻土によるDIYに実際に取り組んでみたいと考えた方は、日本けいそう土建材様のウェブサイトにエコ・クイーンを使用したDIYに関する様々な知識が記載されていますので、ぜひ一度のぞいてみてください。
珪藻土は下地の影響を受けやすい建材ですので、ボードの継ぎ目処理や合板類のアク止めなどが非常に重要です。
そういった知識や実際の施工方法なども日本けいそう土建材様のウェブサイトに丁寧に掲載されていますので、大変参考になります。
DIYを前提とした商品の販売に力を入れられているメーカーならではのサービスだと言えます。珪藻土の扱いや下地の処理方法などの知識を一度学べば、その後のメンテナンスや拡張工事などにもスムーズに対応することが可能になるかと思います。
一度慣れてしまえば、数年後に気分転換に珪藻土の仕上パターンを変えてみるなどといったことも可能かと思います。
珪藻土DIYの手順と必要な道具・材料について
実際に珪藻土を使用したDIYに挑戦する方にとって、いざDIYを始めようとしても、全体の流れがわからなければ何から手をつければ良いか迷ってしまうかと思います。
ここでは珪藻土DIYの全体的な流れと、必要な道具・材料について解説いたします。
解説は日本けいそう土建材様の商品を使用する前提で進めていきますのでご了承願います。
珪藻土DIYの手順(工務店を介さないDIYリフォームの場合)
ここでは、既存の壁面や天井などに自らDIYリフォームを行う手順について説明します。
まずは珪藻土を施工する壁面や天井の場所を定めて、下地となる現在の仕上の状況を確認します。
多くの場合がビニールクロスが貼られているかと思いますが、薄手のビニールクロスの場合、清掃およびクロスの継ぎ目や全面に下地処理を施した上で、エコ・クイーンのペーストタイプを下塗りなしで直接塗ることができます。
詳しい施工方法は日本けいそう土建材様のウェブサイトをご参照ください。
その他の下地の施工マニュアルについては以下をご参照ください。
珪藻土を塗る壁面や天井面の施工面積を割り出します。
ドアや窓などの珪藻土を塗らない部分を差し引いた正確な面積を計算します。
同時に珪藻土をどのように仕上げるかを検討し、凹凸のある仕上げの場合は平均塗り厚さにおよその検討をつけます。
平坦に仕上げる場合の標準塗り厚さは、ペーストタイプが1.5mm、粉末タイプが2.0mmとなっており、粉末タイプの場合は下地の状況によって接着力を高める下塗り材(NGU:標準塗り厚さ1.0mm)が必要となってきます。
山目コテを使用した校倉風の仕上げなどは凹凸が深いため平均塗り厚さも3〜4mm程度と大きくなりますので、その分珪藻土を多く使用することにご注意ください。
- ペーストタイプ|大サイズ 標準施工厚:1.5mm 20kg/箱(5kg×4袋入り/約10m²分)
- ペーストタイプ|小サイズ 標準施工厚:1.5mm 5kg/袋(約2.5m²分)
- 粉末タイプNSR|大サイズ 標準施工厚:2.0mm 15kg/袋(約12m²分)
- 粉末タイプNSR|小サイズ 標準施工厚:2.0mm 7.5kg/袋(約6m²分)
- 下塗り材NGU|大サイズ 標準施工厚:1.0mm 25kg/箱(約30m²分)
- 下塗り材NGU|小サイズ 標準施工厚:1.0mm 12.5kg/箱(約15m²分)
上記の表を参考に、必要な珪藻土の分量を計算します。
途中で材料が足らなくなると面倒なことになるため、多少多めに用意しておいた方がよいでしょう。
オススメは水練りをする必要のないペーストタイプですが、施工面積が大きくなってくると下塗り材+粉末タイプの方がコストがかからずに済みます。
また、下地の状況によっては下塗り材が必須となってきますので、下地別の施工マニュアルをご確認ください。
珪藻土の施工には下地の処理工程と周りを汚さないための養生が欠かせません。
左官道具や珪藻土自体にかかるコスト以外にも、下地処理材(シーラーやファイバーテープなど)、養生材(マスキングテープや養生シートなど)の必要数量を計算して予算を割り当てる必要があります。
下地処理剤は下地の状況により必要なものが変わってきますので、施工マニュアルを参考に各材料別の必要な数量に目星をつけましょう。
ただし、あまり難しく考えなくとも、少し大きめのホームセンターであれば、ほとんどのものを揃えることができますので、足りなくなれば買いに走るということにしておけば良いかと思います。
これらの消耗品は日本けいそう土建材様のウェブサイトでも購入可能です。
施工予定日から配送にかかる日数を逆算して珪藻土、その他必要な材料を発注します。
各材料の数量はSTEP2とSTEP3で計算した必要量を購入します。
受注生産品が含まれる場合は納期にご注意ください。
同時に左官道具も用意する必要がありますが、最初はどのような用具が使いやすいかなどわからないかと思いますので、日本けいそう土建材様の左官道具一式のレンタルサービスのご利用がオススメです。
3000円+送料でコテ板やコテなど必要最小限の左官道具を30日間レンタルすることができます。
山目コテやタッカー、スクレーパーなど、基本セットに含まれない道具の追加レンタルもありますが、複数回レンタルするならば購入した方が安い場合があります。
コテやコテ板以外にも必要なものがいくつかありますので、後に紹介する「珪藻土DIYに必要な道具・消耗品一覧」を参考に必要な道具を準備してください。
珪藻土、養生材、下地処理材、左官道具が用意できたなら、いよいよ珪藻土のDIY作業に取り掛かります。
まずは、汚してはいけない場所を養生します。
邪魔になる家具や家電製品などは他の部屋などに移動した上で、床は養生シートで覆います。
巾木や窓枠、コンセントカバーなど、珪藻土と取り合う部分ははマスキングテープで全て見切ることをオススメします。
その際に珪藻土の塗り厚分2~3mm程度は隙間を空けることが重要です。
隙間を空けずにマスキングしますと、テープを剥がす際にせっかく塗った珪藻土を痛めてしまうことになります。
窓枠などについた珪藻土は塗った直後であれば簡単に拭き取ることが可能ですので、慣れてくればマスキングなしでも施工可能ですが、最初はきっちりとマスキングを行う方が無難でしょう。
養生が終わりましたら、下地処理作業に移ります。
下地の状況によって下地処理の工程が変わってきますので、日本けいそう土建材様のウェブサイトに記載されている施工マニュアルを参考に下地処理作業を行ってください。
この工程は珪藻土のクラックや剥がれ、浮きなどを防止するためにも大変重要な工程ですので、丁寧かつ確実に行いましょう。
吸水防止のシーラーの塗布は珪藻土の色ムラ防止の意味もありますので、こちらも重要な処理工程となります。
下地処理が完了しましたら、実際に珪藻土を塗っていきます。
下地の種類や、粉末タイプとペーストタイプでは工程が違いますのでご注意ください。
下塗りが必要な場合は専用の下塗り材NGUを全面に施工します。
仕上げ塗りを行う場合は時間のかかる端部や他の部材と取り合う部分から先に塗り始めるのがオススメです。
特にマスキングした場所との取り合い部分は時間がかかる部分ですので、そちらを先に塗ってから残った部分を一気に塗りあげます。
仕上げ塗りの珪藻土が乾燥してしまう前であれば、ある程度の修正も可能ですので、仕上げのパターンを色々と試したい場合は乾燥する前に行いましょう。
仕上げ塗りが完了しましたら、完全に乾く前にマスキングテープを剥がすことをお勧めします。
マスキングテープを剥がす際に珪藻土が一緒にめくれてしまうことがありますが、乾燥前であれば修復が可能です。
また、マスキングテープは長時間放置しますと剥がす際に接着剤が部材に残ってしまいますので、できるだけ早めに剥がす方がよいでしょう。
コテ板や、コテについた珪藻土は乾く前に水で洗い流す必要があります。
放置しますと珪藻土がガッチリと固着してしまい、削り落とすしか無ってしまい結果道具を痛めることになりますのでご注意ください。
養生シートなども同様に、長時間放置せずに早めに撤去する方がよいです。
養生シートでしっかりと覆ったつもりの床に珪藻土が回り込んで付着していたなんてことがありますが、乾燥前であれば拭き取ることが可能です。
珪藻土DIYの手順(新築工事などにDIYを含む場合)
新築工事や全面リフォームなど工務店が行う工事にDIYを含める場合について説明します。
DIY工事自体は前項目の「珪藻土DIYの手順(工務店を介さないDIYリフォームの場合)」のSTEP1〜STEP7と同様ですが、工務店が行う工事の中にDIY工事を含めてもらう場合は、新築あるいはリフォームの本工事とDIY工事の区分を明確にすることが重要になってきます。
工務店が行う本工事との取り合い調整
工務店が行う新築工事やリフォーム工事の中にDIY工事を含める場合は、工事区分を明確に定めることが必要不可欠です。
可能であれば竣工・引渡し後にDIYを行うこととして、本工事とDIY工事を完全に分けてしまうのがベストです。
理由は本工事にDIY工事を含めた場合、工事期間を必要以上に長くすることによる工務店の管理コストの増大を防ぐため、また、なんらかの不具合が起こった場合の責任の所在を明確にして不要なトラブルを避けるためでもあります。
ただし、DIY工事時に邪魔になる設備器具類(便器や照明、空調機器など)や造作家具などがある場合は、DIY工事後にそれらを設置する必要があります。そのような場合にはDIY工事を行いたい旨を設計者や工事管理者に伝えた上で、設計段階からDIY工事を盛り込んでもらうのがよいかと思います。
理解のある設計者や施工管理者であれば、他工事への影響がないようにうまく調整した上で、必要なDIY工事期間を確保してくれることかと思います。
可能であれば、、珪藻土の仕上げと取り会うコンセントカバーや照明スッチのカバーなどもDIY工事後に取り付けてもらうようにすれば、余計な養生を行う必要もなく綺麗に納めることができます。
凹凸のある仕上げを施す場合は、コンセントや照明スイッチと取り合う部分のみは平滑に仕上げるなどの工夫によって、仕上がりの完成度が大きく異なってきます。
DIY工事にかかる日数の目安
新築やリフォーム工事にDIY工事を含めてもらう場合は、DIY工事にかかる日数の予想が重要になってきます。
衛生器具や設備機器類をDIY工事後に設置してもらうように工程を組んでもらった場合は、、DIY工事用に確保してもらった日数内で工事を終わらせる必要があります。
したがってDIY工事にかかる日数を、施工面積、下塗りがあるかないか、作業人数、1日の作業時間などを考慮してある程度正確に予想します。
あくまでも参考程度ですが、珪藻土DIY工事にかかる日数の目安を以下に示しておきます。
- 作業条件
-
- 作業人数:初心者2人
- 1日の作業時間:7〜8時間
- 使用する珪藻土のタイプ:粉末タイプ(下塗りあり)平滑仕上げ
- 下地の状況:木造下地組にプラスターボードビス留め
- 珪藻土の施工は壁面のみ(天井なし)
- 日数の目安(施工面積:6畳一間|25㎡程度まで)計5日
-
養生作業および下地処理作業
1人が養生作業を行い、養生作業が終わった場所からもう一人が下地処理作業を行うとスムーズです。
下塗り(粉末タイプの場合)および乾燥ペーストタイプを使用する場合はこの工程は必要ありません。
仕上塗りおよび乾燥塗り厚が大きな仕上げ(山目櫛引仕上げなど)や模様を付けた仕上げの場合は、半日ほど余計に時間がかかるかと思いますのでご注意ください。
午前中に塗った部分など仕上げ塗りがある程度乾燥していれば、マスキングテープは早めに剥がした方がよいでしょう。養生撤去および手直し・清掃マスキングテープの貼り方に不具合があった場合などには、手直しに予想以上の時間が取られる場合もありますのでご注意ください。
予備日不意のトラブルがあった場合の予備日です。
20㎡増えるごとに1日〜1.5日程度を追加仕上げの種類により追加日数が変わります。
この作業日数はあくまでも目安程度にお考えください。
仕上げの種類により仕上げ塗りにかかる時間は大きく変わってきます。
また、面積が少なくとも他の部材と取り合う箇所が多くなればなるほど時間がかかります。
逆に施工面積が多ければ多いほど、後半は作業に慣れてきますので予想以上に短い時間で完了できる場合もあります。
珪藻土DIYに必要な道具・消耗品一覧
コテやコテ板は日本けいそう土建材様の左官道具一式のレンタルサービスを利用する前提で、それ以外に必要なものや、あると便利なものを優先順位の高いものから順に紹介していきます。
脚立
高所の作業に必須です。
天井高さ2.4m程度までなら4段の脚立で対応可能です。
幅広の踏み板でしっかりとしたものを用意しましょう。
左官バケツ
粉末タイプの珪藻土の水練りに必須です。
蓋つきは珪藻土の乾燥を多少なりとも防いでくれますが、長時間放置する場合は上面をラップで包むなどした方が良いでしょう。
珪藻土の水練り用と、道具の保管・清掃用(水を張って使用途中のコテを入れておくと乾燥による珪藻土の固着が防げる)の計2つ以上は用意したいところです。
攪拌(かくはん)機
粉末タイプの珪藻土を水練りするのにかなり欲しい道具です。
量が少なければ手練りも可能かもしれませんが、それなりの地獄を見ることになります。
回転数が中速のものでパワーがあるものがオススメです。(高速だと不用意な操作で珪藻土が広範囲に飛び散ります)
充電タイプよりコードタイプの方がパワーに対するコストパフォーマンスが良い傾向にあります。
タッカーおよびステープル(タッカー針)
下地がビニールクロスの場合の下地処理やファイバーテープを留めるのに使用します。
先端頭のネジで打ち込み強度を調整できます。
この商品はホッチキスとしても使用できます。
ビニールクロス下地の場合、ステープルは10㎡あたり1000本程度を使用します。
針足があまり長いとステープルが浮いてしまい、ハンマーでひとつひとつ打ち込んでいく手間がかかります。
ファイバーテープ
珪藻土のクラック防止にプスターボードや合板の継ぎ目に使用します。(詳しくは日本けいそう土建材様の施工マシュアルをご参照ください)
50mm幅が使い勝手が良いです。
購入する数量の目安は、153M巻き一本で約50㎡分ですが、開口部の数やボードの割付によってはより多くの数量が必要になります。
大きめのホームセンターでも入手可能です。
マスキングテープ&マスカー(テープ付き養生シート)
マスキングテープは安物だと剥がす時に接着剤が残ったり、中途半端に破れたりするため、信頼できるものを使用しましょう。
幅は20mm程度のものが使い勝手が良いです。
マスカーは床など広い面積を養生するのに使用します。
ビニールの部分を広げて使いますが、1m以上の幅があった方がより広範囲を養生できて効率がよいです。
マスキングテープとマスカーはホームセンターでも入手可能です。
シーラー
合板のアク止めやプラスターボードへの吸水防止のために下地処理に使用します。
使用方法は日本けいそう土建材様の施工マシュアルをご参照ください。
ビニールクロス下地の場合、4リットルで約60㎡分に使用できるそうです。
ちなみに、シーラーは日本けいそう土建材様のウェブサイトの方が安く購入できます。
山目コテ
校倉風のストライプ模様をつけるのに使用するほか、珪藻土全体を均一な厚みで塗るに重宝するコテです。
山目をつかって強めの力で珪藻土を全体に押し広げ、平コテで山の部分を押しつぶすように仕上げていくと、全体を均一な塗り厚で仕上げることができます。
山目の大きさが色々とありますが、中程度の大きさのものが使い勝手が良いです。
スクレーパー
ファイバーテープを抑えたり、狭い部分に珪藻土を塗ったり、余計な部分に固着した珪藻土を削り取ったりと多用途に使用できます。
ゴムベラ
コテやバケツの清掃に、あると便利なのがゴムベラです。
その他
その他、あると便利な様々な小物をまとめて紹介します。
これらのものはホームセンターや100円均一などで手に入るものがほとんどです。
- 園芸用スコップ(大)
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粉末タイプの珪藻土を袋からすくい出すのに使用します。
- ビニール手袋(使い捨て)
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珪藻土は強アルカリ性です。手荒れが気になる方には必要になってきます。
- ラップ、ゴミ袋
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バケツの中やコテに残った珪藻土にかぶせておけば乾燥を防いでくれます。手を止めて休憩したい時などにあると便利です。
また、余った珪藻土はゴミ袋に入れて空気に触れないようにしておけば、数日程度であれば保管できるかと思います。 - 清掃用ブラシ
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コテ板やコテの清掃に使用するブラシです。バケツの中で使用できる範囲でできるだけ大き目の方がよいでしょう。
リンクまとめ・関連記事
珪藻土DIYに最適な本物の高品質珪藻土と、珪藻土DIYに関する様々な知識についての紹介記事でした。
日本けいそう土建材様のウェブサイトには、珪藻土に関する深い知識とDIYに関する施工マニュアルなど、役に立つ知識が豊富に掲載されていますので是非とも覗いてみてください。
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