今回は木造住宅用のアルミ製制震ブレースを紹介いたします。
耐震・免震・制震それぞれの違い
一般の方向けに木造住宅の地震対策として耐震・免震・制震工法それぞれのアプローチの違いを説明いたします。
耐震工法
地震の揺れに対して、筋交いや面材による耐力壁を設置して建物の剛性を増すことで対応します。
一般的な木造住宅のほとんどは耐震工法でできています。
耐力壁の数量を多くすれば建物の剛性は増しますが、その分地震の揺れは内部にいる人や家具などにダイレクトに伝わりますので、家具転倒による人へのダメージが懸念されます。基本的に他の工法より低コストで済みます。
免震工法
地震の揺れをできるだけ建物に伝えないことで建物を守ります。
基礎と建物1階部分との間に設置されている免震装置が地震時の揺れを遮断する役割を果たします。
中高層以上の建物で普及している工法で、最近は住宅用の免震システムも多く開発されています。
コストは高いです。
制震工法
基本的な考え方は耐震工法と同じですが、耐力壁に加え制震装置を設置することにより地震の揺れを吸収し低減させる工法です。建物の共振を防ぎ、振幅を抑制させることで内部の家具や人へのダメージを低減させます。コストは耐震工法+αで済みます。
制震ブレース ブレースリー|理研軽金属工業株式会社
「ブレースリー」はアルミ製の筋交いに履歴ダンパーと呼ばれるアルミ押出し形材を取付た制震ブレースです。このアルミ履歴ダンパーの塑性変形によって生じるエネルギー吸収機能により安定した減衰性能を発揮し、地震の揺れを30~50%低減します。
「ブレースリー」の最大の特徴は、制震ブレースでありながら耐力壁として「壁倍率2.4倍」が認定されていることです。制震機能付きの耐力壁として利用できるため、住宅の開口部の制限が少なくて済むというのが利点です。
アルミ押出形材ですから経年劣化もなく低コストであることもメリットでしょう。
制震ブレース ブレースリー振動台実験データなどへのリンク
理研軽金属工業株式会社のWebサイトでは、ブレースリーと木造筋交いの振動台実験データを公開しています。木造筋交いに比べ1/5程度の変形量で済むなどの制震性能が確認できます。
制震ブレース(ブレースリー)動的強度試験(振動台実験)データはこちら。
制震ブレース(ブレースリー)Webカタログはこちら。
理研軽金属工業株式会社のWebサイトはこちら。
にしても、この製品のネーミングが少し気になります。
「ブレースリー」まさかとは思うのですが・・・