※ 蓄熱暖房機アルディの製造販売に関しては株式会社サニカに引き継がれるようですが、2015年11月現在のところサニカのWebサイト上には情報がありません。
以上、2015年11月追記
床全体が適度に暖かく、その輻射熱により身体への負担も少ない床下設置型の蓄熱暖房機を紹介いたします。
蓄熱暖房機本体は床下の土間に設置するので、設置場所に困らず、基礎断熱工法を採用する住宅などにはまさに最適な暖房機器といえるでしょう。
価格の安い深夜電力により稼働し、その電力で蓄えた熱を昼間にゆっくりと放出することで、1日を通して快適な温度を保ちます。
蓄熱式床下暖房システム RDUシリーズ|株式会社白山製作所
床下蓄熱暖房機の設置イメージ
白山製作所Webサイトより
蓄熱のイメージ
白山製作所Webサイトより
白山製作所の床下蓄熱暖房システムの概要を説明いたします。
基礎断熱工法を採用した床下の土間空間に、必要な台数の蓄熱暖房機を設置し、室内に設置したコントロールパネルで操作します。蓄熱暖房機本体には配電盤より直接単相200Vの深夜電力が供給されます。(コントロールパネルには通常電力を供給)一度設定してしまえば、深夜電力専用の分電盤に設置されたタイマーによって、深夜から早朝にかけて自動的に電源が入るようになっています。
深夜電力の供給時間により機種が2種類にわかれます。RDU-2210は通電時間が5時間(AM1:00〜AM6:00)、RDU-1400は8時間(PM11:00〜AM7:00)となっています。
設置する地域や電力会社の料金システムにより機種選定と設置台数を考慮する必要があります。
導入にはいくつか条件がありますが、最低限必要なものは以下の通りです。
- 基礎断熱工法を採用している
- 床下空間の有効高さが400mm以上ある
- 600mm×600mm以上の床下点検口があり、人通口などを通して暖房機器のメンテナンスが行える
- 単相200Vの電源供給が確保できる
- 床面に温風の吹出し口を設けること
さらに、このシステムの効率を高めるための設計条件をのべます。
- 次世代省エネルギー基準の断熱性能を確保できること
- 間仕切りが少なく居住空間全体が一体的にプランニングされていること
- LDKなどメインの居住空間が1階にある上で、1階上部に吹抜けがある等、1階と2階が空間的に繋がっていること
- 床下を含めた家全体の暖気を循環できる空調システムを導入すること
RDUシリーズの部材一覧です。
RDU-2210 (5時間通電用床下蓄熱暖房機)
蓄熱暖房機本体 RDU-2210
床下集中BOX RDU-12C
室内操作部 RDU-12M
温風吹出しガラリ RDU-11G
配線図
RDU-1400 (8時間通電用床下蓄熱暖房機)
蓄熱暖房機本体 RDU-1400
I/O部 RDU-20H
室内操作部 RDU-20M 電源部 RDU-20P
温風吹出しガラリ RDU-11G
配線図
– 白山製作所 蓄熱式床下暖房システム RDUシリーズ 詳細ページ –
ベース暖房+補助暖房という考え方
家全体の温度差が小さく、1日を通しての温度差も少ないため住宅自体の断熱性能を高めれば冬場に快適な温熱環境を手に入れることができるというこのシステムですが、デメリットもあります。
まず、急速に暖めたいという時には補助暖房がかかせません。この暖房システムは冬場の住宅内の温熱環境を一定以上に保つためのベース暖房と考えるのが妥当かと思います。緊急時にはエアコンなどを稼働させ対応させることが必要になるでしょう。
また、一度設定してしまえば基本的には季節を通して自動運転されるのですが、温度管理が難しいので、慣れるまでは天気予報などで情報を得てこまめに設定を調整する必要があると思います。
さらに、深夜電力を利用するといえど、電気料金は割高になると思います。オール電化や深夜電力利用による通常の電気料金の割引など、電力会社の契約システムをうまく使い、すこしでも電気料金を安くすませる知識が必要かと思います。
ただ、それらのデメリットを考えても、このシステムを導入することで得られる快適な温熱環境はすばらしいものであると考えます。
樹脂製の吹出し口のデザインが非常に残念
写真を見て気になった方も多いと思うのですが、建築家としてこのシステムに付属している樹脂製の床吹出しガラリのデザインのチープさがどうも好きになれません。
なんとかならないものかと色々なサイトを探しまわった結果、他社の製品で、このシステムにぴったりなステンレス製の床吹出しガラリを見つけました。
次の記事で紹介いたします。
※ 「床下蓄熱暖房機に最適なステンレス製床パンチングガラリ(吹出口)」