木質ペレットがなぜ環境に優しい循環エネルギーであるのか?

前回の記事で紹介したペレットストーブに使用する燃料「木質ペレット」について解説したいと思います。
木質ペレットは、間伐材や製材端材を原料にして、それらを乾燥→粉砕→圧縮成形することで製造されます。これがCo2削減に大きく寄与する燃料として注目されているわけですが、そもそもペレットストーブは燃料となる木質ペレットを燃焼させることでエネルギーを生み出すというしくみですから、使用する過程でCo2が発生してしまうことは避けられません。では、なぜ石油などの化石燃料と比べて環境に優しいと言われているのでしょうか。
これは木質ペレットの原料である「樹木」そのものの生産過程を含めて全体を見渡さなければ理解できない話のようです。

目次

参考サイト

木質ペレットの詳細については「木質ペレット推進協議会」<のWebサイトにて詳しく述べられています。
加えて、より深く掘り下げた話が前回の記事で紹介したペレットストーブを扱うメーカー「有限会社シモタニ」のWebサイトでも解説されています。

「エコロジーについて」|有限会社シモタニ
※記事は削除されていました(2015年11月確認)

2つのサイトで得られた知識を私の理解した範囲で、簡単ではありますが解説したいと思います。
 

木質ペレットは木質バイオマスエネルギーの1種

木質バイオマスエネルギーとは森林資源などに代表される植物を原料としたエネルギーのことです。
薪や木炭、メタン、メタノールなども木質バイオマスエネルギーの1種です。
それらは基本的に燃焼させることでエネルギーを得るわけですが、ここまでの話だけで考えますと森林資源を燃やすわけですから環境破壊になるのではないかと逆に考えてしまいます。
ですが、森林資源の生産過程までを含めて考えると環境にとってはむしろ良いことであるというのが見えてきます。
 

エネルギー問題から「木質ペレット燃料」を見る

エネルギー問題には、石油資源の枯渇を避けるために代替エネルギーを普及させなければならないという根本的な方策があります。
水力・風力・太陽光などの自然エネルギーの利用がまず考えられますが、それらの自然エネルギーは永久的に利用できるというのがおおきなメリットです。
バイオマスエネルギーは森林資源を利用していますので有限資源と思われがちですが、森林は植林を行うことで再生させることが可能であるため、こちらも半永久的に利用することが可能であると考えられます。
林業を活性化させ、植林→間伐→伐採→植林という循環を産業としてうまく行うことが、半永久的に資源を生み出すために重要な点です。
ここで重要になって来るのが、「間伐」の過程です。
樹木を有効な資源として育成させるために必要不可欠なのが不要な樹木を伐採する間伐なのですが、これら途中で伐採された樹木は今でこそ間伐材として利用されるようになってきましたが、昔はその多くが廃棄処分されていました。
「木質ペレット」はこの間伐材を原料としていますので、本来廃棄物として焼却されるものを高効率な燃料としてリサイクルさせるという意味でも環境にやさしいエネルギー源であると言えます。
 

環境問題から「木質ペレット燃料」を見る

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環境問題として大きなものの一つとして地球温暖化対策、つまりCo2削減が挙げられます。
木質バイオマスエネルギーは基本的に燃焼させることでエネルギーを得るわけですから、Co2の発生は避けられないわけですが、燃焼過程で放出されるCo2はそもそも植物の成長過程で吸収されたCo2であるわけですから、総量としてCo2を増大させることはないと考えられます。この考え方をカーボンニュートラルと言います。


 

地域産業の活性化

海外の安い木材の影響を受け、国内の大事な産業である林業も多くの地域で廃れてしまっています。
人工林は手入れを怠ると、放置された木などが地表を覆い生態系を破壊するので、逆に環境破壊に繋がります。
環境が破壊された人工林によって土砂崩れなどの災害が引き起こされ、私たちの生活に直接被害を与えるというのも大きな問題です。
「森林は人の手が入ることで良好な環境が保たれる」ということを認識して、地域の林業を活性化させるという観点からも地元産の木質ペレットの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
 

木質ペレット」使用のメリット

以上のことから木質ペレットを熱エネルギー源として利用することの社会全体へのメリットをまとめます。

・化石燃料の代替とすることでのCo2削減に寄与
・国産エネルギーの確保、エネルギーの地産地消が可能
・間伐材や製材端材を利用することから廃棄物のリサイクルが行える
・林業の活性化による地域の雇用と経済への寄与

などが大きなメリットではないでしょうか。

この記事で興味を持たれた方は、是非ペレットストーブの導入を検討してみてください。

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