今回の素材・建材紹介のコーナーは、キッチンで生ゴミの処理に大活躍する、ディスポーザ(生ゴミ粉砕処理システム)です。
ディスポーザ InSinkErator / 日本エマソン株式会社
ディスポーザーは日本ではあまりなじみのない商品ですが、海外では70年以上の歴史をもつ生ゴミの粉砕処理機です。
家庭ではキッチンのシンクの排水口下に取付けられ、食事の支度中や後片づけに出る生ゴミを、水と共にその場で機械的に粉砕処理し排水するための機械です。
ディスポーザーは最新の設備を誇る高級マンションなどに設置されているのを見かけますが、一度使うとディスポーザーなしのキッチンは考えられないという私の知り合いのユーザーもいます。
日本エマソンはアメリカセントルイスに本社を置く大手電気機器メーカーであるエマソン社の日本法人です。InSinkErator社は世界で初めてディスポーザーの販売を手がけた会社で、その後エマソングループに加入し、現在はエマソン社のディスポーザ事業部であり、エマソン社で扱うディスポーザーのブランド名となっています。
– 日本エマソンのディスポーザー紹介ページ –
– InSinkEratorの製品ラインナップ –
– エマソン社やディスポーザーの歴史について –
AMAZON|InSinkErator Evolution Compact 3/4 HP Household Garbage Disposer
ディスポーザーの使い方
■ シンクの排水口に設置されたディスポーザーに生ゴミを直接投入する。
■ 蛇口から水を流しながら、蓋を閉めると自動的にスイッチが入ります。
■ 中にある粉砕機が生ゴミを粉砕し、粉砕処理された生ゴミは水と一緒に排水管に流されます。
ごくごく簡単ですね。
なにしろ、生ゴミが出たその場で即処理、台所に保管しておくという必要がなくなるので、キッチン廻りを清潔に保てて臭いの問題もなくなります。
環境的にも、水分を大量に含む生ゴミの焼却処理に莫大なエネルギーが使用されることを考えると有益であると言えるでしょう。
ここで気になるのが、粉砕処理された生ゴミが下水にそのまま流されると汚水処理場に負担がかかるのでは?ということですが、実は日本では残念ながらほとんどの自治体でディスポーザーの単体設置は認められていないというのが現状です。
- 東京都下水道局のディスポーザーの規制に関するWebサイト – 平成21年7月17日
これによると、ディスポーザーの設置には、専用の分解槽(ディスポーザ排水処理システム)を別途設置して排水をある程度の基準を満たすきれいな状態にしてから下水に流さないといけないことになっているようです。
東京都では、「下水道のためのディスポーザ排水処理システム性能基準(案)」(平成29年4月1日改正)
に適合する排水処理システムのうち下水道局が認めたものが使用可能とあります。
設置には「維持管理に関する計画書」などを添付した「排水設備の新設等の届出」が必要です。
- ディスポーザ排水処理システムに関する取扱要綱 (東京都下水道局)-
– 設置可能なディスポーザ排水処理システムの一覧 (東京都下水道局)-
ただ実際には、この分解槽のタンクが非常に大きく、敷地内の地下などに埋設されるのですが、その費用が高く付くため戸建て住宅にはなかなか普及しないようです。
定期的なメンテナンス費用もかかるため、利便性に対する高い費用対効果を得るには
ある程度の規模の集合住宅やマンションへの導入に限られるということになりそうです。
住宅の床下やキッチンにビルトインさせるタイプの排水処理システムを開発している
メーカーもあるようなのですが、処理能力やメンテナンスはどうなのでしょうか?
また機会があれば調べていきたいとおもいます。